

この記事では、井戸水と水道水の違いや、井戸水を使用するメリットやデメリットについて詳しくご紹介していきます。
当然ながら井戸を掘れる場所がなくてはいけない

と思っていても、都会のマンションにお住まいの場合などは難しく、井戸水を使用するためには庭に井戸があったり、新たに井戸を掘る必要があります。
また、自宅の庭などに井戸を掘る場合、掘る深さなどによっても価格は異なりますが数十万円の費用がかかります。
井戸には『生活井戸』と『飲用井戸』がある
井戸は、基本的に【浅井戸】と【深井戸】の2種類があります。
浅井戸とは?
地表から水面までの深さが8m程度の井戸の事で、地中の硬い岩盤を削る必要が無く手軽に掘れるため、工事費用を安く抑える事ができます。
しかし、周囲の環境に水質や水量が影響を受けやすく、有害物質が混ざってしまう事もあるため飲用水にはあまり向いておらず、家庭菜園や生活用水に適している生活井戸として使用されている事がほとんどです。
深井戸とは?
地中の硬い岩盤を掘削し30m以上掘られた井戸の事で、場合によっては50mほど掘られる事もあるので、工事費用は高額になります。
岩盤の下にある地下水を汲み上げるため、水質や水量が周囲の影響を受けづらいので、水質検査をクリアすれば飲用水としても使用可能で、飲用井戸として活用しているご家庭も少なくありません。

金額面から見た井戸水のメリット・デメリット
井戸水は金額面でもメリットだらけだと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、当然デメリットもあります。
上水道代は無料

ただし、井戸水を使用していても下水道代は支払う必要があります。
同じ自治体内であれば純粋な水道料金を見た場合、【上水道代+下水道代】と【井戸水(0円)+下水道代】を比較すると、月々の水道料金は井戸水を使用している方が半額くらい安くなります。
井戸ポンプの設置・維持にコストが掛かる
新たに井戸を掘る場合の費用
掘る深さなどによっても大きく異なりますが、井戸掘り・水質検査・井戸ポンプの設置を含め20万~100万円の費用がかかります。
水質検査、洗浄などの維持費
飲用で井戸を使用している場合、1年に1度水質検査を受ける必要があり、その費用は約1万〜2.5万円程度です。
また、飲用井戸の場合1〜2年に1度(生活井戸は4〜5年に1度)井戸洗浄をする必要もあり、費用は5万〜25万円程度となります。
井戸ポンプの電気代
お住まいの地域や井戸ポンプの機種、井戸水の使用頻度によっても多少異なりますが、井戸水を毎日2時間ほど使用したと仮定して、月々の電気代は800円〜1,000円程になります。
井戸ポンプ本体の寿命
井戸ポンプ本体の耐用年数は7〜15年なので、寿命が来て不具合が発生したら交換する必要があり、15万円以上の費用がかかります。
トータルでは金額的なメリットはほぼない
二人以上の一般家庭での水道料金の全国平均は、5,104円です。
井戸ポンプを設置し、井戸水を使用する事で月々の水道料金が半額程度になったとしても、水道料金とは別に、井戸ポンプの維持コストを月に均すと約5,000円〜20,000円となり、トータルで考えると井戸ポンプの設置による金額的なメリットはあまりなく、場合によっては水道水を使用するよりも高くついてしまう可能性があります。
水質面から見た井戸水のメリット・デメリット

水質はピンキリ
井戸水=綺麗、美味しい、などというイメージを持っている方も多いと思いますが、水質に関しては地域によってマチマチで、近くに農地や工場があると水質が汚染されている恐れもあります。
逆に、塩素やカルキなどが含まれておらず、綺麗で美味しい井戸水が出る地域も当然存在します。
水温が安定している
外気温の影響を受けやすいため、夏は温く、冬はキンキンに冷たい水が吐水される水道水ですが、井戸水は外気温の影響を受けにくく、年間を通して水温が15〜17度と一定なので、夏は冷たく、冬は少し温かい水が吐水されます。

熊本県は井戸水王国

また、熊本県では一般家庭でも井戸水の利用率が高く非常にメジャーで、井戸や井戸ポンプに慣れている業者も多いため、熊本県の場合は井戸ポンプの設置なども含め、井戸水を使用するのは比較的【アリ】な選択肢となります。
まとめ
井戸水は良いイメージもありますが、水質が必ずしも良いとは限らないうえに、維持していくためのメンテナンス面を考慮すると、実は費用面も含めて結構大変です。
