水漏れしている事に気付かず、ある日突然高額な水道料金の請求が来た!
そんな時、泣く泣く水道代を全額支払うのではなく、水道料金の一部を減免してもらえる場合があります。

水漏れした際の水道料金減免制度とは?
水漏れによって高額な水道料金を請求された際、一定の基準などの条件のもと漏水で生じた水道料金の減額を受ける制度が設けられています。
それが、”水道料金減免制度”です。
減免制度は、全ての漏水に適用されるわけではありません。
まず前提として、水道メーターより個人所有の住宅側にある給排水設備ついては利用者が管理保守する義務があります。
そのため、例え水漏れが原因で水道料金が高額になってしまったとしても、全て自己責任となり原則として利用者が全額支払う事になります。
しかし、漏水した原因や条件によっては請求された水道料金の一部が減免されます。

水道料金減免制度の対象になり得るケース
減免制度を受けられる条件は地方自治体によっても若干異なりますが、下記のような原因による漏水の場合は減免が適用される事がほとんど。
水道料金減免制度が適応される条件とは?
- 正しい水道の使い方をしている
- 目視で気付く事が困難な箇所で漏水が発生している
- 指定給水装置工事事業者による修繕工事が完了している
1:正しい水道の使い方をしている
ご自身の過失によって水道料金が高額になってしまった場合、減免制度は適用されません。
- 蛇口の閉め忘れ
- トイレの故障による漏水
- 散水栓などからの漏水
- 浄水器、湯沸かし器など水道設備ではない物からの漏水
といった不注意による漏水による水道料金は、全て自己負担。
いつも通り水を使用していて、利用者に何の落ち度もない漏水の場合のみ減免制度が適用されます。
2:目視で気付く事が困難な箇所で漏水が発生している
目視で気付く事が困難な箇所からの漏水が原因で、水道料金が高額になってしまった場合減免制度の対象となります。
こちらのイラストの赤い線で記されている壁の中、床下、地面に埋設されている給水管が老朽化などにより水漏れしてしまった場合、漏れている水の量によっては気付くのが遅くなってしまうケースも少なくありません。
漏水箇所が水道局の修繕範囲である場合
メータよりも道路側の漏水については、一定の条件を満たしていれば、水道局が無料で修繕を行いますので、受持ちの営業所等へ連絡してください。引用元:東京都水道局 よくある質問
水道メーターより道路側にある水道管から水が漏れている場合は、水道局が修繕を行ってくれますので、お住まいの地域の水道局にご連絡ください。
3:指定給水装置工事事業者による修繕工事が完了している
水道料金の減免制度を受けるためには、指定給水装置工事事業者による修繕工事を完了させておく必要があります。
水漏れしている破損個所をご自身で修理したり、指定給水装置工事事業者以外の業者に修理施工してもらった場合、地方自治体によっては減免制度の対象外となってしまいますのでご注意ください。

水道料金減免制度の対象にならないケース
高額な水道料金の請求が来ても、下記のようなケースでは減免制度は適用されません。
- 蛇口を開けたまま長期間自宅を留守にした
- 屋外水栓が壊れて水が出続けていた
- 水漏れに気付いていたのに放置していた
- 利用者、または第三者による過失や故意で水漏れが発生した
- 水が漏れている事を目視で確認できる箇所からの水漏れ
- 過去1年の間に同一箇所の減免を受けた
1:蛇口を開けたまま長期間自宅を留守にした
不注意などで蛇口を開きっぱなしにした状態で、旅行や出張に行くなどしてしまい水道料金が高額になったというケースは、利用者の落ち度になるため減免制度は適用されません。
洗濯機の蛇口を開いたままで旅行に出かけている間に、洗濯機の給水ホースが外れてしまい大惨事になってしまったというケースも…
長期間ご自宅を開ける際は、蛇口がきちんとしまっているか確認するようにしておくと安心です。
2:屋外水栓が壊れて水が出続けていた
庭やベランダに屋外水栓を設置しているけど、使用頻度が低く水漏れに気付かなかった…というケースも少なくありません。
屋外水栓からの漏水により水道料金が高額になってしまった場合は、持ち主の管理不足と受け取られるため減免制度は適用されません。
3:水漏れに気付いていたのに放置していた
壁の中、床下、地中に埋設されている水道管から水漏れしている場合でも、減免制度が適用されないケースがあります。
漏水の量が多い場合、天井や壁から水が漏れてきたり、雨が降っていないのに地面が濡れている、地面が陥没するという症状が発生。
目に見えない箇所での漏水でも、明らかに漏水している事が分かる状況にも関わらず、何の対処もせず放置し水道料金が高額になってしまった場合は、全て自己負担となります。
また、水道の検針員に漏水の可能性を指摘されたにも関わらず、確認や修繕を故意に怠った場合も減免は適用されません。
検針員から指摘を受けた場合は、早急に水漏れ有無の確認と修繕を行うようにしましょう。
4:利用者、または第三者による過失や故意で水漏れが発生した
庭に花壇を作るために穴を掘っていたら水道管に傷を付けてしまった!
工事をしていたら業者が水道管を破損させてしまった…
など、利用者、あるいは第三者の過失などで漏水が発生した場合、減免制度は適用されません。
5:水が漏れている事を目視で確認できる箇所からの水漏れ
トイレ、キッチン、浴室、洗面台、洗濯機水栓、といった水回りの目に見える箇所で、水漏れが発生し水道料金が高額になってしまった場合も減免制度は適用されません。
6:過去1年の間に同一箇所の減免を受けた
過去1年の間に同一箇所の漏水による減免を受けている場合、減免の適用はされません。

まずは水漏れの有無を確認
高額になった水道料金の減免申請を行うために、まずは本当に水漏れをしているのかどうかを確認しておく必要があります。
壁の中、床下、地中に埋設されている給水管からの水漏れの場合、目視で水漏れを確認する事は難しいですよね。
そのため、水道メーターを使用し水漏れしているかどうかを確認します。
水漏れを確認する手順
- 自宅の蛇口を全て閉める
- 水道メーターを確認
1:自宅の蛇口を全て閉める
水漏れの有無を確認するため、まずは自宅内にある蛇口を全て閉めます。
洗濯機、食洗器などを使用中の場合は停止させ、屋外水栓なども忘れずに全て閉めておいてください。
2:水道メーターを確認
自宅内の蛇口を全て閉めたら、水道メーターを確認します。
水道メーターボックスが設置されている場所は、下記の通り↓
- 戸建て→玄関横、庭など
- アパート→外廊下、共用スペース等
- マンション→玄関横の扉(パイプスペース)等

パイロット
水道メーターを見つけたら、パイロット部分に動きが無いか確認します。
自宅内の蛇口を全て閉めている状態で、こちらの動画のようにパイロットが回っている場合はどこかで漏水が発生している事が考えられます。
漏水が少量の場合はパイロットがゆっくりと回転するので、10分ほどパイロットを観察するようにしてください。
水道メーターを確認し水漏れしている事が判明したら、被害を抑えるために必要なお水を浴槽、鍋、ヤカンなどに溜めて水道の元栓を閉めておくのがオススメ。

水道の元栓
水道メーターの横に設置されているバルブが水道の元栓で、時計回りに回して閉めると家屋全体の水を止める事が可能になります。
集合住宅にお住まいの場合は、水道メーターのフタ上部、裏側などで部屋番号を確認した上で元栓を閉めるようにしてください。

水漏れの水道料金減免制度の申請方法
この章では、水漏れの水道料金減免制度の申請方法について詳しくご紹介します。
水道料金減免制度申請の流れ
- 水道局に連絡
- 漏水箇所の修繕を行う
- 漏水減額請求書を水道局に提出
- 水道局から減免通知書が来るのを待つ
1:水道局に連絡
水漏れの影響で水道料金が高額になっている事に気が付いたら、まずは水道局に連絡をします。
水漏れの状況を伝え、減免制度を受けられるかを確認。
この際、お住まいの地域の水道局によっては、修繕を行う業者を手配してくれる場合もあります。
注意ポイント
2:漏水箇所の修繕を行う
減免制度を受けられるかどうかの確認が済んだら、漏水箇所の修繕を行います。
ご自身で業者を手配する場合は、必ず指定給水装置工事事業者に依頼するようにしてください。
指定給水装置工事事業者が分からない場合は、お住まいの地域の水道局に問い合わせると教えてもえる事がほとんどです。
また、水道局ホームページに指定給水装置工事事業者一覧が掲載されている事も◎
減免申請には
- 修理工事の見積書
- 請求書
が必要な場合もありますので、大切に保管しておくようにしましょう。
3:漏水減額請求書を水道局に提出
水漏れ箇所の修繕が完了したら、漏水減額申請書を水道局に提出します。
申請書は、窓口で受け取るか、各水道局のホームページからダウンロードできる事がほとんど。
水道局によっては郵送してもらえる場合もありますので、ダウンロードやプリントアウトをする環境が無い方は水道局にお問い合わせください。
申請書には、所在地、メーター番号、漏水箇所、漏水の原因、修繕内容、修繕日などを記入。
修理業者によっては、申請まで代行して行なってくれる事も。
申請書と必要書類が揃ったら、水道局窓口に提出してください。
水道局によっては郵送で受け付けてもらえる場合もあります。
4:水道局から減免通知書が来るのを待つ
申請後は審査が行われ、無事に審査に通ると減免通知書が送付されます。
通知書が届くまでの期間は、申請して1ヶ月ほど。
実績調査が必要な場合は、2~3か月を要するケースもあります。

水道料金減免制度で戻ってくる金額はどのくらい?
水道料金の減免制度では、どのくらいの金額を減免してもらえるのかが気になりますよね。
水漏れによる水道料金減免申請を行い審査が通ったとしても、支払った水道料金が全額戻ってくるという訳ではありません。
普段の水道料金が約5,000円で、漏水発生月の水道料金が30,000円だった場合…
- 例1:差額25,000円のうち6~8割程度を減免
- 例2:普段の水道料金の3倍が上限で15,000円が減免
といったように、減免される金額は地方自治体によって異なります。
前年比や過去の水道料金などを基準にし、漏水していた推定の水量を算出。
漏水で発生した水道料金の、50~70%分が減免されるのが一般的です。
また、減免された金額は現金で返金されるわけではなく、減免された金額が次回以降の水道料金から差し引いて請求されるという形になります。

注意点|減免申請には期限がある
水漏れによる水道料金の減免申請は、自治体によっても異なりますが申請期限が設けられています。
水漏れ箇所の修繕が完了してから90日までが申請期限になっている事が多く、申請期限を過ぎてしまうと申請できない恐れもありますので、修繕が完了したら早めに手続きを行うのがオススメです。
また、漏水による水道料金の減免申請ができる対象は、2期分(計4ヶ月分)までとなっている事がほとんどで、水漏れの早期発見、早期修繕を促すため短い期間に設定されています。

まとめ
水道料金が急に高額になってしまったら、まずは漏水しているかどうかを確認。
水漏れしている事が確定したら早めに水道局に連絡をし、高額になった水道料金の減免申請を行うようにしてくださいね。
