トイレの水トラブル

トイレに流せるお掃除シート・猫砂は危険!?トイレに詰まってしまった時の対応や解消方法は?塩を流すのは正解?

トイレに流せるお掃除グッズや猫砂などは、後処理が楽でとても便利ですよね。

しかし!!トイレつまりの原因になってしまう事も。

トイレに流せるって書いてあったのに…トイレがつまっちゃった!!
実は、このようなお問い合わせが、非常に多いんです。

この記事では、【トイレに流せる】お掃除シートや猫砂などをトイレに流す事の危険性と、トイレにつまらせてしまった時の対応法やトイレつまり解消法についてご紹介します。

トイレに『流せる』はずなのに、詰まってしまう原因

本来、トイレに流して良いのは排泄物とトイレットペーパーのみ。

トイレを流す

Q.トイレに流せるシート、流せるお尻拭きなどのシートは流してもよいですか?

A.トイレットペーパー以外のものは流してはいけません。
トイレに流せる、とうたわれている紙でも、
トイレットペーパーと同等の性能がない場合があり、故障の原因になることがあります。

引用元:TOTO Q&A

各トイレ製造メーカーでも、便器には汚物やトイレットペーパー以外の物は流さないよう注意書きされている事がほとんど。

  • お掃除シート
  • トイレブラシ
  • 猫砂
  • おしりふき
  • 生理用品
  • ティッシュ
  • 除菌シート

ドラッグストアなどで販売されているこれらの商品の【トイレに流せる】というフレーズは、商品が売れるための謳い文句になっているだけの物も少なくありません。

国内で製造されているトイレットペーパーは、水に浸すと100秒以内にほぐれるというJIS規格に準拠して製造されています。

JIS規格とは?

日本産業規格(にほんさんぎょうきかく、(英: Japanese Industrial Standards)は、産業標準化法に基づき、認定標準作成機関の申し出又は日本産業標準調査会(JISC)の答申を受けて、主務大臣が制定する規格であり、日本の国家標準の一つである。JIS(ジス)またはJIS規格(ジスきかく)と通称されている。

引用元:Wikipedia

しかし、トイレに流せる製品に関しては明確な規格や基準が定められていない事などもあり、中には水に浸しても全くほぐれないといった物も。

近年,国内で流通するトイレに流せるとする衛生製品は,JIS P 4501の適合を目標に開発しているとされる.

しかし,実際に流通している製品の水解性には幅があり,トイレットペーパーと同様の水解性を有する製品やトイレットペーパーと同様ではないものの JISP 4501を満足する水解性を有する製品がある一方で,ほとんど水解しなかったり,あるいはまったく水解せず JIS P 4501を満足しない製品が流通していることが判明した.

そして,No. 34や No. 35といった紙状でない製品や No. 13のように細長く水解する特徴の製品は,JIS P 4501での下水道施設への安全性評価ができないことも併せて確認できた.

引用元:J-STAGE トイレに流せるとする衛生製品水解性評価について

その中でも猫砂は水分と反応して固まるため、便器や排水管の中で固まってしまうと大変厄介…

集合住宅にお住まいの場合、自宅だけではなく他の部屋の方にも迷惑をかけてしまう恐れもあります。

こちら↓の記事のように、猫砂を流した事で大惨事になるケースもあるため、猫砂の処理には十分な注意が必要です。

特に、以下のようなトイレをお使いのご家庭では、トイレットペーパー以外の物を流す事はオススメできません。

  • 排水管が細い
  • 長年の使用で、排水管に汚れが蓄積されている
  • 排水管の勾配が甘い
  • トイレを流す時の水圧が弱い
  • タンクレストイレ
  • 節水型トイレ

このようなトイレをご使用の場合、お掃除シートや猫砂を一度に大量に流すとトイレつまり発生のリスクが高くなります。

少量だとしても長期間定期的に流していると、排水管内に蓄積していきトイレつまりの原因となる恐れがあります。

トイレに流せる猫砂が詰まってしまった場合の対処法

トイレに流せるタイプの猫砂は1粒1粒が小さい事もあり、トイレに流しても詰まらないと思っている方もいらっしゃるかと思います。

猫砂

しかし、猫砂は決して水に溶けるというわけではありません。

猫砂は水分を含むと固まるという特徴があり、トイレに大量に流すと排水管の中などで粘土状になり固まってしまいます。

さらに、人間の排泄物とは違い、毛づくろいをする影響で毛が混ざっている猫の糞は水に溶けにくく、猫の糞そのものも実はとてもトイレにつまりやすいのです。

水に溶けない猫の糞+水に溶けない猫砂を一緒に大量に流すと、トイレがつまってしまうリスクがさらに高まってしまいます。

猫砂や猫の糞がトイレに詰まった場合、すっぽんや真空式パイプクリーナーの使用が有効。

猫砂つまり解消の手順

  1. 周辺を養生する
  2. 猫砂が浮遊している場合は除去する
  3. すっぽんを使用する

1:周辺を養生する

すっぽんを使用する際、便器内の汚水が飛び散ったりする恐れがありますので、作業を行う前に床などを養生しておくのがオススメ。

床や壁など便器周辺に新聞紙、ビニール袋、雑巾を敷き詰めておくと安心です。

2:猫砂が浮遊している場合は除去する

つまって流れ切れなかった猫砂が便器内に浮遊している場合、取り除ける物は全て除去しておきます。

汚水には大腸菌などの雑菌が含まれていますので、必ずビニール手袋やゴム手袋を装着し柄杓、上部をカットしたペットボトルなどを使用し取り除くようにしてください。

この際、便器内の水位が上がっている場合は、すっぽんのカップ部分が浸る程度まで猫砂と一緒に水をすくい出しておきましょう。

3:すっぽんを使用する

便器の排水口部分にすっぽんや真空式パイプクリーナーを密着させ、ゆっくりと押し込みます。

そして、勢いよく引き上げます。

この際、詰まっていた猫砂が出てきたら、流さずに取り除くようにしてください。

つまりが解消されるまで繰り返し行い、最後は水をたっぷりと流しておきましょう。

すっぽんを使用しても詰まりが解消されない場合は、水道業者にご相談ください。

猫砂がトイレにつまった時に塩を流すのはNG?

猫砂がトイレにつまってしまった時の対処法を、ネットなどで検索してみると【塩を入れると膨張を防げる】という情報が紹介されているのをご覧になった事がある方もいらっしゃるかと思います。

塩

猫砂によるトイレつまりに、なぜ塩を入れると良いのか不思議ですよね。

これは、猫砂に含まれている吸水性ポリマーや糊剤が塩分に弱い特徴を持っているため。

塩を入れる事で、猫砂の膨張を抑え糊の効果も弱まるため、固まってしまった猫砂をほぐれやすくするという効果に期待ができます。

猫砂が排水管にガチガチにつまり水が流れていかないような状況になっている場合は、塩を使用してもあまり効果を得られません。

詰まってはいるけど、かろうじて水は流れていく…など軽度のつまりであれば塩を使用する事で解消できる事も◎

塩を使った猫砂つまりを解消する手順

  1. 便器に塩を投入
  2. 放置して流す

1:便器に塩を投入

便器に溜まっている水(封水)の部分に、大さじ3~6杯程度の塩を投入します。

塩を投入したら、ゴム手を装着した手や割り箸などで混ぜておくと◎

注意ポイント

塩を大量にトイレに流す行為は自治体によっては禁止されている地域もあり、排水管を傷める原因ともなりますので、トイレに流す量は厳守した上で行ってください。

2:放置して流す

塩を投入したら10分程度放置し、水を流して完了です。

つまりが解消されたら、数回レバーを回ししっかりと水を流すようにしておいてください。

猫砂に塩を使用する解消法は、軽度のつまりの時のみにしてくださいね。

トイレに流せるお掃除シートが詰まってしまった場合の対処法

お掃除シートはトイレットペーパーよりも厚みがありトイレットペーパーと比較するとほぐれにくい物も多いため、一度に大量に流すとつまりやすくなってしまいます。

トイレ掃除をしている

トイレに一度の大量のお掃除シートを流し、トイレつまりが発生してしまった場合は下記の対処法を行ってみてください。

  1. 放置する
  2. お湯を注ぐ
  3. すっぽんを使用する
  4. 真空式パイプクリーナーを使用する

1:放置する

お掃除シートが原因でトイレつまりが発生した場合、暫く放置する事でお掃除シートが水分を含みほぐれやすい状態になる事も。

1時間以上放置し、レバーを少しずつ回し水を流してみてください。

この時、勢い良くレバーを回すと、つまりが解消されていなかった場合便器内の水位が上がり汚水が溢れてしまう恐れもありますので、必ず様子を見ながら少しずつ流すようにしましょう。

詰まりが解消されているか分からないし、レバーを回すのが怖い…といった場合は、バケツなどで様子を見ながら少しずつ水を注ぎこむと◎

3:お湯を注ぐ

水ではなくお湯に浸す事で、さらにお掃除シートをほぐれやすくする事が可能となります。

便器内の水位が上がっている場合は、先に灯油ポンプ、柄杓、上部をカットしたペットボトルなどで便器内の水位を正常時程度に減らしておいてください。

注意ポイント

便器に注ぐのは、熱湯ではなく50度程度のぬるま湯。

温度差により便器が割れてしまうケースもありますので、熱湯の使用は厳禁。

詰まっているお掃除シートに水圧がかかるよう、少し高い位置からお湯を注ぎこんでいきます。

お湯を注ぎ徐々に水位が下がっていくようであれば、2~3回繰り返しお湯を注ぎます。

その後、1時間程度放置。

放置した後は、バケツで水を注ぎこみ詰まりが解消されているかご確認ください。

4:すっぽんを使用する

ご自宅にすっぽん(ラバーカップ)を常備している場合は、すっぽんを使用しての詰まり解消がオススメ。

すっぽんを使用する際の理想的な便器内の水位は、ラバーカップのカップ部分が浸る程度。

水位が高い場合は減らし、少ない場合はバケツなどで水を注いでから作業を行ってください。

便器内排水口部分にすっぽんを密着させたら、ゆっくり押し込み勢いよく引きます。

つまりが解消するまで数回繰り返しましょう。

つまりが解消した後は排水管内にお掃除シートが残留しないよう、レバーを数回回してしっかりと水を流すようにしておくと安心です。

5:真空式パイプクリーナーを使用する

すっぽんの使用でも詰まりが解消されなかった場合、真空式パイプクリーナーの使用がオススメ。

真空式パイプクリーナーは、すっぽんよりも強力なパワーで排水管に詰まったお掃除シートを動かす事が可能となります。

すっぽん使用時と同様、つまりが解消した後はレバーを数回回し水をしっかり流しておきましょう。

ご自身で解消法を試してみても詰まりが解消されない場合は、水道業者にご相談ください。

注意点|流すなら少量ずつ!できればゴミに出そう

トイレに流せるタイプのお掃除シートや猫砂は、処分が楽でとても便利ではありますが、先述した通り本来トイレに流して良いのはトイレットペーパーと排泄物のみ。

ごみ

そのため、”トイレに流せる”という記載があっても、基本的には一般ごみとして処分するのがトイレつまりのリスクを抑えられるためオススメです。

どうしてもトイレに流したい場合、お掃除シートは1枚ずつ流すようにしてください。

猫砂を流したい場合、トイレに猫砂を流すのは1日に3回まで。

大きな塊のまま流すのは避け、必ず崩してから流すようにしましょう。

また、いくつかの塊を流す際は、”猫砂→水だけ→猫砂→水だけ”といった具合に、猫砂を流す度に交互に水だけを流すようにしてください。

小分けにして流しても立て続けに流すと排水管の奥でつまってしまう事もありますので、量が多い時は流さずに一般ゴミとして処分するようにしてください。

猫砂と糞がカチカチに固まってしまっている時も、トイレに流さず一般ごみとして処分するようにしてください。

一般ごみとして処分すればトイレつまりのリスクを抑えられ、その分の水道代も節約できます。

まとめ

トイレに流せるお掃除シートや猫砂が詰まってしまった時は、軽度のつまりであればすっぽんを使えば解消できるケースも少なくありません。

節水型トイレなどで継続的に長期間猫砂を流しているような場合、排水管内に徐々に蓄積していく恐れも。

そのようなケースではすっぽんの使用でつまりを解消させる事は難しいので、早めに水道業者にご相談ください。

1度詰まりが発生したトイレは詰まりやすくなっている恐れがありますので、つまり解消後も猫砂などは流さないようにしておくのが理想的です。

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