水道料金の計算で必ず出てくる【呼び径(メーター口径)】とは、何の事を指しているいるのかご存知ですか?


水道の呼び径(メーター口径)とは?
水道の呼び径ってぼんやり聞いた事はあるけど、詳しくは分からない…という方も少なくないかと思います。
呼び径とは?
水道局では、口径別料金制度(メータの大きさによって料金が異なる)を採用しており、水道料金の算定に用いるメータの口径区分のことを呼び径といいます。お客さま宅の呼び径については、「水道・下水道ご使用量等のお知らせ」に記載されています。
引用元:東京都水道局 よくある質問

画像の赤丸部分の水道管の直径が、呼び径(メーター口径)。
呼び径は直径が太くなるほど水を多く家に引き込めるため、お風呂やキッチンなど複数箇所で同時に水を使用しても、水圧が弱くなりにくくなります。
また、呼び径の大きさによって水道料金が変わり、太くなるほど基本料金が高くなります。
東京都の水道基本料金の場合
13mm:月/860円
20mm:月/1,170円
25mm:月/1,460円

一般的な水道呼び径(メーター口径)の太さは?
一般的な呼び径の太さは各地方自治体によっても異なりますが、最近の一般家庭では20mmの呼び径が主流となっています。
昭和~平成初期頃までは13mmの呼び径が設置されているご家庭も多くありましたが、1つの家屋内に蛇口や水道設備が増えた現在では13mmでは水量が弱くなってしまう事も。
下記の通り呼び径の大きさによって、使用できる蛇口や水道設備の数が決められています。
・20mm:蛇口の数5~13個
・25mm:蛇口の数14個以上
蛇口の数は、トイレ、キッチン、浴室、洗面所以外に、洗濯機、食洗器、浄水器、屋外水栓などもカウントされます。
水道の基本料金を安くするためにも、呼び径の大きさを小さくしたい!とご検討される方もいらっしゃるかと思います。
しかし、実際に使用する水の量に対して呼び径が小さいと、水道管内の水の流れが大きくなり過ぎて異音が発生したり、給水装置が壊れてしまう原因となってしまう事も。
基本的に13mmの呼び径で同時に使用できる蛇口の数は、2つ程度まで。
トイレ、キッチン、浴室など3つ以上の蛇口を同時に使用すると、水量が弱くなってしまいます。
また、水量が弱くなってしまう事で、ボイラーや湯沸かし器が着火しないといった不具合が発生してしまう場合も。

水道の呼び径(メーター口径)の調べ方|どこを見たらわかる?
自宅にはどの大きさの呼び径が取り付けられているのか?
調べ方を知りたい時はどこを見たらわかるの?と疑問に思っている方もいらっしゃるかと思います。
呼び径はこちらの画像のように、検針票や料金納入通知書などに記載されている事がほとんど。
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または、敷地内に設置されているメーターボックス(量水器)内にある、水道メーター側面、フタ、メーター部分などで呼び径の大きさをご確認いただけるかと思います。

水道の呼び径(メーター口径)は変更できる?
現在使用している呼び径の大きさを、大きくしたり小さくしたり変更したいな…と考えた事がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
自宅の呼び径を変更する事は、不可能ではありません。
増径するとどうなる?
現在使用している呼び径より大きくした場合、以下のようなメリットデメリットがあります。
・水道の基本料金が高くなる
・工事費用がかかる
・水道利用加入金が必要な場合がある
呼び径を増径すると一度に使用できる水量が増えるため、複数の蛇口を使っても水圧が弱くならないというメリットがあります。
そのため、家族が増え使用する水の量が増えたなどの理由で水圧不足のストレスを感じている場合、増径する事でそのストレスを解消する事が可能となります。
地方自治体によっても異なりますが、増径すると水道の基本料金が高くなる事がほとんど。
その他、地方自治体によっては水道利用加入金が必要になります。
また、呼び径変更のための工事費用もかかるため、コスト面ではこれらがデメリットに感じてしまう場合も。
減径するとどうなる?
現在使用している呼び径より小さくした場合、以下のようなメリットデメリットがあります。
・工事費用がかかる
・一度に複数の蛇口を使うと水圧が弱くなる
減径する最大のメリットは、水道の基本料金が安くなるという点。
数百円安くなるだけでも、長い目で見ると基本料金が安くなるのは嬉しいですよね。
しかし、呼び径を小さくするとその分一度に使用できる水の量が減るため、入浴、洗い物、洗濯などを同時に行いたい場合、水圧が弱くなりストレスに感じてしまう恐れも。
また、増径同様変更のための工事費が必要となります。

呼び径を変更する際の費用や注意点
自宅の水圧が弱い場合などは増径すれば水圧は強くなりますが、増径や減径は簡単に行えるものではなく大がかりな施工が必要になります。
呼び径を変更するためには地中に埋設されている水道管を掘り返さなければいけないケースもあり、そのような場合は工事費用が高額になってしまう事も。
水道メーターのみの交換で済む場合の工事費用相場は、約2~5万円程度。
水道メーターと引き込み管の交換が必要な場合は40~50万円で済むケースもありますが、増径する場合工事内容や配水管までの距離によっては100万円以上かかってしまう事も珍しくありません。
注意点1:呼び径の変更が本当に必用か確認する
水道料金を安くするために呼び径を小さくしたい!などといった場合、工事費用などを考慮すると変更する大きなメリットはあまり得られない可能性もあります。
また、水圧が弱い場合は水栓の交換や止水栓の調節等で水量が改善するケースも。
自宅の立て直しや、水道設備の増設・リフォームに伴い呼び径の変更を行うのはアリかもしれませんが、電気のアンペアのように手軽には行えないため、本当に呼び径の変更が必要なのか十分に考慮してください。
ご自身で判断する事は難しいと思いますので、指定給水装置工事事業者に相談してみるのがオススメです。
指定給水装置工事事業者とは?
給水装置工事主任技術者(きゅうすいそうちこうじしゅにんぎじゅつしゃ)とは、給水装置工事主任技術者国家試験に合格した者及び平成8年の水道法改正前の各市区町村の供給規定による資格からの移行に伴う経過措置による講習会を修了した者。
給水装置工事主任技術者は、給水装置工事事業者が水道事業者 ( 市町村等 ) から水道法に基づく指定( 指定給水装置工事事業者 )を受ける為に必須な国家資格である。平成17年2月時点での免状取得者は、230,601名となっている。
引用元:Wikipedia
注意点2:指定給水装置工事事業者に依頼する
呼び径の変更工事は水道局への申請が必要で、その工事を行うのは水道局指定給水装置工事事業者以外は施工してはいけない決まりになっています。
指定給水装置工事事業者に依頼すると、水道局への申請なども行ってくれますので、まずは指定給水装置工事事業者にご相談ください。

まとめ
水道の呼び径(メーター口径)は大きさによって水量や水道代の基本料金が異なりますが、電気のアンペアとは違い呼び径の変更は簡単ではありません。
